冠婚葬祭マナー集
叙勲・褒章
- ※社団法人日本マナーOJTインストラクター協会 監修
「叙勲(じょくん)」とは、国家や社会において大きな功労や功績のあった人を対象に、国が毎年春と秋に勲等(国家が与える栄典の等級)と勲章を授けることをいいます。
叙勲は、毎年春の4月29日(昭和の日)と秋の11月3日(文化の日)に行われます。
叙勲の種類は、特に功労の大きい方へ授ける大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう)、桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)をはじめ、顕著な功績を上げた方への旭日章(きょくじつしょう)、公務などの長年の従事者への瑞宝章(ずいほうしょう)、秋にのみ授与される文化功労者への文化勲章などがあり、それぞれの分野や貢献度により決められます。
また、「褒章(ほうしょう)」とは、勲章と同様に国家や社会や文化に貢献した人を称えるため記章を授与することです。「褒章」の二字を桜の花で飾った円形のメダルで、綬の色(紅、緑、黄、紫、藍、紺)により区分されます。
また、国から勲章や褒章を受けることを「受章」といい、各種団体などから賞を受ける「受賞」とは、区別されています。
叙勲・褒章のお祝い
叙勲・褒章は、なかなか手にすることができない素晴らしい栄誉の証なので、お知り合いの方の受章を知ったら、是非とも早くお祝いの気持ちを伝えてください。
身近な方や親しい方などの場合は、すぐにお祝いに駆けつけて喜びを分かち合いたいものですが、受章直後は何かと慌ただしくなります。相手を思いやり祝電や贈り物にメッセージを添えて気持ちを伝える方がスマートな場合もあります。
叙勲・褒章の贈り物には
直接お祝いに行く時は、日本酒やシャンパンなどの酒類、お菓子、果物等すぐに使ってもらえるものや、お祝いの花束などを持参すると喜ばれます。後日贈る場合は、1週間くらいまでに酒類、花束や胡蝶蘭などの鉢植え、尾頭付きのめでたい鮮魚(鯛や海老など)などがよく選ばれます。
また祝賀会などに招待された時は、前日までにお花や祝酒を贈るか、「受章祝」などと表書きをした金封にお祝い金を包んで用意します。「御叙勲御祝」、「〇〇褒章御受章御祝」などでも構いません。
相場は、結婚式と同様2~3万円程度とされています。
叙勲・褒章の電報
直ぐにお祝いに行くことができない場合でも、まず電報で受章の栄誉を称える気持ちを伝えましょう。受章後早い時期のお祝いの一報は、ご自身の感激と重なり印象に強く残るものです。
お祝い事なので、縁起が良くない言葉や不幸を連想させる言葉などの使用は避けましょう。
(終わる、切る、最後、破れる、消える、去る、散る、四、九 など)
また、電報や手紙に受章名を入れる場合は、間違いのないよう確認して正確に記載してください。
NTT西日本の文例 | |
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叙勲のお祝い |
【文例番号:2090】 |
褒章のお祝い |
【文例番号:B0177】 |
- ※掲載している内容は一般的な冠婚葬祭マナーの一例です。地域等によっては内容が異なる場合がございますのであらかじめご了承ください。